コラム一覧

2026年10月8日

裏地・リブ付きの服の品質表示——部位別に組成を書き分ける方法

「ジャケットの表地と裏地で素材が違うが、組成はどう書けばいいのか」「スウェットの袖口のリブにポリウレタンが入っているが、身頃と分けて書くべきか」。裏地やリブが付いた服の品質表示では、部位ごとの書き分けで迷う方が多くいらっしゃいます。

結論から書きます。素材の違う部位がある服は、「表地」「裏地」「リブ部分」のように部位名を付けて、部位ごとに組成を書き分けます。全体を一つの混率にまとめて書くのではありません。私たちはアパレルOEM会社として、裏地付きのアウターやリブ付きのカットソーの表示を作るたびに、この書き分けを確認しています。

1. 部位別に書く理由

組成表示は、消費者がその服の素材を知り、扱い方を判断するためのものです。表地が綿で裏地がポリエステルの服を、重さの割合で「綿70% ポリエステル30%」とまとめて書くと、どこに何が使われているかが分からなくなります。そのため、素材の違う部位がある場合は、部位を示してそれぞれの組成を書く形が基本になります。表示を見て「裏地はポリエステルだから静電気が起きやすい」「表地は毛だから縮みやすい」と判断できることが、部位別表示の意味です。

2. 基本の書き方

部位名のあとに、その部位の組成を書きます。各部位の中では、通常の組成表示と同じく繊維名と混率を並べます。

裏地付きのジャケットの例

リブ付きのスウェットの例

繊維名は指定用語で書き、部位名は消費者が見て場所を特定できる言葉を選びます。部位名と組成の間は、スペースを空けるなどして読みやすく区切ります。混率の書き方そのもののルールは、別の記事で扱っています。

3. 部位名の付け方のコツ

部位名には決まった言い回しがありますが、実務では次の点を意識すると、校正で戻されにくくなります。

4. 書き漏れやすい部位

部位別表示で多いのは、書き分けの間違いより「書き漏れ」です。次の部位は、生地の手配表で素材を確認してください。

ポケットの袋布や芯地、小さな飾りなど、どこまで表示が必要かには規程上の扱いがあります。判断に迷う場合は、消費者庁の資料や窓口で確認してください。

5. 洗濯ネームへの収め方

部位が増えるほど、組成の行数も増えます。洗濯ネームの限られたスペースに収めるため、次の順でレイアウトを考えます。

  1. 部位ごとに1行ずつ、部位名と組成を並べる
  2. 行数が多いときは、ネームの幅や長さを見直すか、表裏の両面に分ける
  3. 文字を小さくしすぎて読めなくならないよう、原寸で確認する

洗濯表示の記号は部位ごとに分けず、製品全体で一組です。部位によって洗濯への強さが違う場合は、いちばん弱い部位に合わせて記号を決めます。この決め方は、複数の素材を使った服をテーマにした別の記事で扱います。

6. 確定前のチェック

最後に、生地の手配表・仕様書と、ネームの原稿を1行ずつ照らし合わせます。部位の数が手配表と合っているか、各部位の混率の合計が100%になっているかを確認してください。仕様変更で裏地の素材を差し替えたのに、ネームの原稿が古いまま、という事故は珍しくありません。素材を変えたら、ネームも同時に直す習慣を付けておくと安心です。追加生産で生地の手配先が変わったときも、裏地やリブの混率が変わっていないかを毎回確認してください。

洗濯表示タグ、ブラウザで作れます

JIS L0001準拠の洗濯表示・品質表示タグを、その場で作成して印刷用データまで出力。月5枚まで無料です。

無料で洗濯表示を作る