オリジナルの服を販売するとき、避けて通れないのが洗濯表示(品質表示タグ)です。「デザインは決まったけれど、タグに何を書けばいいのか分からない」という相談を、私たちはOEMの現場で何度も受けてきました。
結論から言うと、洗濯表示は決まりごとさえ押さえれば自分で作れます。この記事では、法律上必要な項目から、記号の選び方、データ作成までを順に解説します。
1. まず知っておく法律——家庭用品品質表示法
衣類の品質表示は、家庭用品品質表示法という法律で義務付けられています。対象の繊維製品を販売するときは、次の項目を表示する必要があります。
- 繊維の組成(例: 綿100%、ポリエステル65% 綿35%)
- 家庭洗濯等取扱い方法(洗濯記号。JIS L0001に定められた記号を使う)
- 表示者名および連絡先(ブランド名ではなく、責任を持つ事業者の氏名または法人名と、住所または電話番号)
ポイントは3つ目です。個人でブランドを運営している場合も、表示者名は「ブランド名」ではなく事業者としての氏名・名称を書きます。ここは検査機関や取引先からも必ず見られる箇所です。
2. 洗濯記号はどう選ぶか
現在の洗濯表示はJIS L0001(ISO準拠)の記号で、洗濯・漂白・乾燥・アイロン・クリーニングの5分類を左から順に並べます。
記号は「この製品はどう扱えば傷まないか」を製造者が宣言するものです。選び方の基本は次のとおりです。
- 生地と副資材のうち、いちばん弱い素材に合わせる。本体が綿でもプリントや芯地が熱に弱ければ、アイロン温度はそちらに合わせます
- 迷ったら試験をする。量産前に洗濯試験(家庭洗濯を想定した実洗い)をしておくと、クレームの予防になります
- 根拠なく「手洗いのみ」「洗濯不可」に逃げない。消費者の使い勝手が下がり、返品理由にもなります
3. タグのデータを作る
記載内容が決まったら、印刷用のデータを作ります。押さえるポイントは次の3つです。
- サイズ: 一般的な洗濯ネームは幅30〜35mm。縫い代分を上下に確保する
- 記号は正しい図形で: 洗濯記号は形が規格で決まっています。手描きや不正確なフリー素材は避ける
- 文字の大きさ: 洗濯後も読める大きさ・濃度で。小さすぎる混率表記は検品で指摘されます
タグ自体の素材は、肌当たりと耐久性からナイロンタフタかポリエステルサテンが定番です。
4. よくある間違い
- 旧JIS記号(2016年以前の日本独自記号)のまま作ってしまう
- 混率の合計が100%にならない、生地の実際の混率と違う
- 表示者名がブランド名だけで、事業者名・連絡先がない
- 海外販売分に日本語表示だけで対応してしまう(輸出先の規則確認が必要)
まとめ
洗濯表示は「繊維組成・洗濯記号・表示者名」の3点が正しく入っていれば、個人ブランドでも自分で用意できます。決まりごとは多く見えますが、一度型を作ってしまえば2枚目からは素材と記号を差し替えるだけです。