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2026年9月17日

家庭用品品質表示法とアパレル——表示義務の範囲と表示者

「うちの商品は品質表示の対象なのか」「表示者にはメーカーと販売者のどちらの名前を書くのか」——自分のブランドで衣類を売り始めるとき、まず引っかかるのがこの2点です。

結論から書きます。家庭用品品質表示法は「品目」で対象を決めており、衣類の大半は対象です。そして表示者は「製造した人」ではなく「表示に責任を持つと決めた事業者」で、製造業者・販売業者のどちらでも構いません。私たちはアパレルOEM会社として、製品ごとに「この品目は対象か」「表示者は誰か」を確認して洗濯ネームを手配しています。その判断の考え方を整理します。

1. 家庭用品品質表示法は何を決めている法律か

家庭用品品質表示法は、一般消費者が日常生活で使う製品について、品質を正しく知って選べるよう表示の内容と方法を定めた法律です。1962年制定で、所管は消費者庁です。

対象は「家庭用品」全般ではなく、繊維製品・合成樹脂加工品・電気機械器具・雑貨工業品の4分野で、政令で指定された品目に限られます。衣類が関係するのは繊維製品の分野で、具体的な品目と表示事項は「繊維製品品質表示規程」に定められています。

押さえるべき構造は、①対象品目なら表示は義務、②表示事項は品目ごとに決まっている、③責任は「表示者」として名前を書いた事業者が負う、の3点です。

2. 表示義務の範囲——「衣類なら全部」ではない

繊維製品の対象品目は規程に列挙されており、列挙されていないものは義務の対象外です。実務でよく扱うアパレル品目で見てみます。

対象になる主な品目

Tシャツやカットソーも、上衣や下着など該当する品目に含まれるものとして、私たちは対象として表示を付けています。

対象外になりやすい品目

帽子、ベルト、バッグ類は繊維製品の品目に挙がっていません。同じブランドでも、Tシャツには義務があり、キャップにはないという状態が普通に起こります。義務がない品目に任意で表示を付けることは問題なく、顧客対応の面ではむしろ付けておくほうが安全です。

もう一つの線引きが「家庭用かどうか」です。企業に納める制服のように業務用として販売されるものは対象外ですが、同じ作業服でも小売店や通販で個人向けに売れば対象になります。「消費者が買う形で流通するか」で判断してください。

3. 衣類に必要な表示事項

対象となる衣類の表示事項は、基本的に次の3つです。

コートなど一部の品目では「はっ水性」の表示が求められる場合があるなど、品目によって必要事項が少しずつ違います。初めて扱う品目は規程の該当欄を確認するのが確実です。

表示の方法は、製品に縫い付けるなど、消費者が購入時に見られて、購入後も容易に取れない形が求められます。特に取扱い方法は洗濯のたびに参照されるため、下げ札だけで済ませず、本体に付けるのが基本です。

4. 表示者は誰か——製造業者でも販売業者でもよい

法律上、表示を行うのは製造業者・販売業者・表示業者のいずれかで、誰が表示者になるかは事業者間で決めます。名前を書いた事業者が表示内容に責任を負います。実務では次のように決まることが多いです。

表示者名は「消費者が問い合わせできる相手」を示すものなので、ブランド名だけでは足りず、事業者の名称と住所または電話番号が必要です。屋号で活動する個人も、連絡の取れる住所か電話番号を添えます。製造した工場が自動的に責任を負うわけではなく、表示者に書いた名前の事業者が責任を負う、というのが原則です。

5. 表示を怠るとどうなるか

表示がない、または規程に沿っていない場合、行政から表示を改めるよう指示を受け、従わないと事業者名が公表されることがあります。ただ実務上もっとも大きいのは、卸先から取引を止められる、通販モールで出品を取り下げられるといった商取引上の影響です。小売店や卸先は仕入れ条件として表示の適合を確認するのが普通です。

6. 発注前に確認する3つのこと

私たちが洗濯ネームを手配する前に確認しているのは次の3点です。

とくに表示者の住所は、移転や名称変更のあとも古い情報のまま刷り続けてしまう事故が起こりやすい項目です。版を更新するたびに見直してください。

まとめ

家庭用品品質表示法は、衣類の大半を対象にしつつ、帽子やベルトのように対象外の品目もある「品目主義」の法律です。表示者は製造者でも販売者でもよく、名前を書いた側が責任を負う。この2点を押さえたうえで、品目ごとの表示事項を規程で確認すれば、表示の設計で迷うことはほとんどなくなります。

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