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2026年9月27日

ドライクリーニング記号の意味と選び方——P・F・Wの違い

洗濯ネームの記号を決めていくと、最後に迷いやすいのが「丸の中にPやFが入った記号」です。家庭洗濯の記号はイメージしやすくても、ドライクリーニングは自分で行う処理ではないため、どれを選べばよいか判断しにくいのだと思います。

結論から書きます。丸の中のPとFは、クリーニング店が使ってよい溶剤の種類を示しています。Pはパークロロエチレンと石油系溶剤のどちらも使える、Fは石油系溶剤だけが使える、という意味です。Wはドライではなく、クリーニング店による水洗い(ウエットクリーニング)の記号です。迷ったときは、生地や付属の耐溶剤性を工場や生地メーカーに確認し、その結果に合わせて選ぶのが基本です。私たちはアパレルOEM会社として、この確認を洗濯ネームの校正前に行っています。

1. 商業クリーニングの記号は2種類ある

JIS L0001の取扱い表示では、クリーニング店で行う処理を「商業クリーニング」として丸の記号で表します。丸の中の文字で、処理の種類が分かれます。

家庭洗濯の記号(洗濯おけの形)とは別の系統なので、「家庭で洗える」と「クリーニング店で何ができるか」は、それぞれ独立して表示します。

2. P・F・Wの意味

P:パークロロエチレンと石油系溶剤が使える

Pは、パークロロエチレンによるドライクリーニングと、石油系溶剤によるドライクリーニングのどちらも可能という意味です。溶剤の選択肢が広く、クリーニング店側の自由度が高い表示です。

F:石油系溶剤だけが使える

Fは、石油系溶剤によるドライクリーニングのみ可能という意味です。パークロロエチレンは洗浄力が強い一方、素材や加工によっては影響を受けるおそれがあります。そうした製品では、Fを選んで溶剤を限定します。

W:ウエットクリーニングができる

Wは、クリーニング店が専門的な方法で水洗いできるという意味です。家庭洗濯ができない製品でも、プロの水洗いなら対応できる場合に使います。

下線と×印

丸の下に線が付くと、処理を弱くする指示になります。ドライクリーニングは下線1本で「弱い処理」、ウエットクリーニングは下線1本で「弱い処理」、2本で「非常に弱い処理」です。丸に×が付いた記号は、その処理を禁止する意味になります。ドライクリーニング禁止とウエットクリーニング禁止は別の記号なので、両方できない場合はそれぞれ表示します。

3. どれを選ぶか——現場での判断の流れ

私たちが記号を決めるときは、次の順で確認します。

  1. 家庭洗濯ができるか:できる製品では、ドライクリーニングの記号を付けるかどうかをあわせて検討します。
  2. 溶剤に弱い部分があるか:プリント、接着加工、合成皮革、装飾パーツなど、本体の生地以外も含めて確認します。
  3. 生地メーカー・工場の推奨条件:推奨がPなのかFなのか、ドライ不可なのかを資料で確認します。
  4. 弱い処理が必要か:型崩れしやすい仕立てや、繊細な素材では下線付きを検討します。

判断に迷う場合は、推奨条件より厳しめに表示するのが安全です。ただし、厳しくしすぎると着用者がお手入れに困るため、根拠のない「念のため禁止」は避けるようにしています。

4. よくある誤解

「ドライ可」なら家庭で洗わなくてよい、ではない

ドライクリーニングの記号は、クリーニング店に出したときに可能な処理を示すものです。家庭洗濯の可否は、洗濯おけの記号で別に判断します。

「ドライ禁止」は水洗いの指示ではない

ドライクリーニング禁止の記号は、有機溶剤での処理ができないという意味だけです。家庭洗濯やウエットクリーニングができるかどうかは、それぞれの記号で示す必要があります。

付属品の見落とし

本体の生地はP対応でも、ボタンやプリントが溶剤に弱いことがあります。試験や確認は製品全体で行い、いちばん弱い部分に合わせるのが基本です。

5. まとめ

記号そのものの一覧は「洗濯表示記号の意味一覧」の記事で整理しています。記号の組み合わせを決めたら、並び順や配置の確認まで一度に済ませておくと、校正の手戻りが減ります。

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